フェルナンデスはなぜ衰退したのか?

「フェルナンデスが倒産した」そのニュースは大きな驚きとともに日本中に拡散されました。

少なくとも僕がギターに触れ始めた90年代にはそれなりに人気はあったと思います。少なくともカタログも立派だったし、楽器屋さんにも普通に置いてありました。

ではなぜフェルナンデスは人気が低迷したのか。理由は一つだけではないと思いますが、個人的には『憧れのブランド』ではなくなったからも理由の一つではないかと思います。

当時はフェルナンデスとエンドースしているミュージシャンも多かったと思います。アーティストモデルではX JAPAN、BUCK-TICK、DEAD END、D’ERLANGER、L’Arc~en~Ciel(Ken)、Janne Da Arc、JUDY AND MARYなどがラインナップされていたかと思います(GLAYもデビュー後の短期間、フェルナンデスとエンドース契約をしていました)。

この90年代後半の時代は主観ではありますが、ESP系とフェルナンデスが2大アーティストモデルの国産ブランドだったと思います。ESP使ってたのはLUNA SEAやDIR EN GREY、PIERROT、L’Arc~en~CielのTetsuyaが目立っていたような気がします。

ただ、それから十年たち、X JAPANやLUNA SEAなどの影響を受けたいわゆるネオ・ヴィジュアル系のバンドのギタリストはこぞってESPと契約するケースが多く、フェルナンデスと契約したのはシドのゆうやくらいだったと思います。

理由として、ネオヴィジュアル系が直接的に影響を受けたのがX JAPAN、LUNA SEA、DIR EN GREYなどであり、GLAYやL’Arc~en~Cielのフォロワーは少なかったように思うのが一つ。やはり憧れのミュージシャンと同じブランド使いたい気持ちはあるのではないでしょうか。加えてやっぱりフェルナンデスはブランドであり、楽器製造の自社工場を持っていない点もあったのではないかと思います。ESPは高価格ではありながらもオーダーメイドにも対応していた点は大きかったと思います。フェルナンデスにも数十万の価格帯のギターはありましたが、ほぼ全てアーティストのドンズバモデルでしたね。

それ以外は10万以下のギターがほとんどではなかったでしょうか。まがりなりにもプロを目指そうとするミュージシャンにとって、フェルナンデスのギターは最初のギターとしてはありでも、選択肢に入りづらかったのではないかと思います(余談ですが、Janne Da Arcのyou氏のシグネイチャーは本人と全くの同仕様でありながら85000円と驚異的なプライスでした)。

さらに2010年くらいだと先に述べたこともあり、流行りのミュージシャンがフェルナンデスのギターを使うもほぼなかったのではないでしょうか。となるとフェルナンデスに憧れるキッズたちも現れないと思うんですよ。

加えてネットで情報を拾う時代にあの古臭いウェブサイト。ネット上でのブランディングにも完璧に失敗しています。

あとは何だろう?松崎氏がフェルナンデスから独立してゾディアックを立ち上げたのも遠因としてはありそうですね。今回の倒産ニュースの中で布袋寅泰モデルがなくなる!みたいなニュースありましたけど、布袋寅泰自身のあのあみだくじテレキャスはすでにほぼゾディアック製と言っていいほどゾディアックにリプレイスメントされていますし、GLAYのHISASHIやL’Arc~en~Cielのhydeなどもゾディアックでシグネイチャーモデルを製作していますしね。もっとも松崎氏の死によってゾディアック・ワークスも数年前に事業終了しています(その後、布袋寅泰氏がゾディアック・ネオとしてブランドの再興を宣言)。

盛者必衰とはいうものの、フェルナンデスもこうなってしまうのか、とさみしい気持ちは尽きません。

他ならぬ私自身、一番最初に憧れたギターブランドはフェンダーでもギブソンでもなく、フェルナンデスでした。最初に買ったギターも、その次もフェルナンデスだったんです。

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